デザイナー 石丸耕平のデザイン事務所「BLURRY(ブラーリー)」オフィシャルウェブサイト、「SPOPEL」ページ

SPOPEL

SPOPEL

真珠の街としても知られる神戸のパール専門店、移転に伴う店舗デザイン設計。ベトナムのハロン湾に拠点を持ち、アコヤ真珠の養殖から販売まで手がけるブランドだからこそ分かるパールが生まれる背景や自然との関わりを考えることからスタートした。豊かな森が豊かな海を作る。森の土壌から流れ出したミネラルや微生物、栄養分が川から海へと届き循環していく。1階の6メートルに渡るガラスカウンターはこの様な木々と海、そこで生まれる真珠という自然のサイクルを表現している。さらに取り組んだのが、真珠を抜き取ったあとの貝殻の再利用だ。オーナーから提供された大量の貝殻を前に、これらをどう空間に落とし込むか検証を繰り返し、3つの手法で店内に取り入れることにした。
ファサードを構成する2階正面のガラスウィンドウには貝そのものを貼り付け壁面アートとして高い意匠性を持たせた。
これらの貝は設計チーム自ら手を動かしひたすら貝を貼り付けていく作業に取り組んだ。
更に貝殻を2種類の荒さに粉砕した。
荒砕きの貝は荒砕きの貝はファサードと什器に左官材で練り込みテラゾー仕上げとし、さらに細かい粉末は店内壁面の左官に練り込み、質感に厚みを持たせることになった。
上質な真珠が生まれるバックボーンを大切に考えるブランドに寄り添い、店舗全体で循環を表現する取り組みとなった。Location/ Kobe
Complete/2023
Design:BLURRY
Photo/ Takeshi Asano

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